中小SSの戦い方
2024年 04月 26日
皆さんお元気ですか。
SS業績改善コンサルタントの谷口竜司です。
今回は「中小SSの戦い方」
というテーマでSS改善について書いていきます。
先日、某コンサルティング会社の
カービジネスセミナーの話を聞きました。
そのコンサルティング会社は、例えば中古車事業であれば、
5千万円程度(車の在庫も含む)の初期投資と3~4名の専任を
配置してくれれば、1年以内に軌道に乗せると資料に記していました。
同じく新車リースであればもっと安価に、5百万円(展示車はリース)
からの初期投資でやはり1~2名の専任をつけてくれれば、
これも1年程度で立ち上げてみせるというものです。
1年程度でしっかりと立ち上げるという自信は
素晴らしいものだし実際に実績もあるようです。
一方で5千万円とか少なくても5百万円などを
投資できる会社は限られているように思います。
おまけに専任者も数名配置しなければなりません。
それが出来る企業は良いですが、多くのSSに
とっては難しいことだ、と思わざるを得ません。
当然このコンサル会社は予算を工面できる大手を
中心にこういった顧問ビジネスを展開しています。
では中小の、お金もあまりないSSは太刀打ちできないのか、
カービジネスを立ち上げることができないのか、というと
決してそんな事はありません。中小には中小の戦い方があるのです。
経営で大事なことは「ナンバーワン商品」を作ることです。
皆さんも日本一高い山は富士山だと知っていますが
2番目に高い山はわからない人が多いのではないでしょうか。
このようにナンバーワンはお客様に強く認識されて、
それに該当する方が多く来店され、従業員稼働率が上がり
同時に生産性も上がっていきます。
車販売の中の「買い方」の1つとして新車リースがあります。
少し前から石油業界でも注目されはじめました。
しかし最近では多くの企業が新車リースを始めています。
そこで中小が大手と同じように勝負をしても勝ち組になる事は難しい。
ではどうするか。
そうです「細分化」してナンバーワンを作っていくのです。
例えば「定年退職をした年配の方・シングルマザー専門のカーリース」
など、こういったターゲットを明確にしたカーリースを行うのです。
実際に私の顧問先SSで毎月2台以上の新車リース販売の結果を
残しているSSがありますが、ここがまさにこういった、年配で
新車を諦めていた方や、シングルマザーで自分はローンが通らない
だろうと思っているような方々から多くの契約をいただいています。
全客層からではなく、年配者・シングルマザーという
一部の客層に向けた「部分1位」を確立しているのです。
洗車の細分化で成功しているのは業界で有名な北九州のN石油さん。
「機械洗車」で地域ナンバーワンですね。
常に最新の洗車機を導入して質の高い洗車を提供しています。
また毎月手作り新聞を作って給油のお客様に配布したり、
近隣住民にポスティングをしています。
さらに洗車客にはお得な洗車券をお勧めして固定化する。
こういうことを10年以上も続けていって
「地域ナンバーワン機械洗車」を確立しています。
洗車ナンバーワンではないのです。
コーティングナンバーワンでもないし
手洗い洗車ナンバーワンでもない
ドライブスルー洗車ナンバーワンでもない、
機械洗車の「部分1位」を取っているのです。
こうやって部分ナンバーワンを取ると
お客様に圧倒的に認知され、対象のお客様が
来店され、自ずと生産性が上がっていきます。
また、徹底的に「接近戦」で
ナンバーワンを作ることに成功したSSもあります。
接近戦とは直接お客様にぶつかって契約を獲得していくこと。
大手は「広域戦」でやって来ます。つまり、膨大なチラシ折り込み、
ホームページ刷新、SNSにて情報発信、WEB広告、グーグル
プロフィール、ポータルサイト対応、ラジオCMやテレビCM、
様々なイベント等々。
私の顧問先ではありませんが、九州のあるSSが
車の在庫を持たない無在庫販売(展示車も置かない軽装備)で
毎月10台以上の中古車を販売しています。
ここは給油来店したお客様との会話の糸口に
「良い車にお乗りですね。大切にずっと乗り続けるのですか?」
など質問して、乗り換えようと思っている・新車に興味がある
などと言葉をもらうと「だったらちょっと5分ほどお時間いただけません?」
と言ってPCの前に連れて行きオークションの在庫を見せるのです。
当店だったら中古車屋さんでありがちな、店頭に置いている
数十台の車から選ぶのでは無くこの何百万台の中からお客様に
1番合った車を選ぶことができますよ、とお勧めして見込み客
を作っています。
在庫が無いことを逆手にとって、人が人に直接働きかけていくので
チラシやWEBやCMのような間接的な働きかけより「引き」が強い。
おまけにこのSSは、いわゆる田舎の地域密着型で、人とのつながり
がとても強力です。
自ら考えてナンバーワン商品を設定して、
お金をかけずに給油客や近隣住民に接近戦
(店頭声かけ・ポスティング・TELフォロー・個別訪問など)で
そのことを伝えていく、それが中小企業の戦い方なのです。
話は変わりますが、以前ベトナム戦争というものがありました。
世界一の軍事力と世界一の経済規模を誇るアメリカが
内戦中の南ベトナムを支援して北ベトナムと戦いました。
アメリカは大規模な無差別爆撃をして
強力に地上戦を行って農民まで虐殺していきます。
枯れ葉剤を使ったことも広く知られています。
一方北ベトナムは徹底的にゲリラ戦をしました。
ジャングルにこもり、おまけにジャングルの下に地下道を掘って
夜な夜なアメリカ兵を殺していきました。
そうこうするうちにアメリカ国内の世論が、
なぜこんなにとてつもない予算を使っているのか、
またなぜこんなにアメリカの若者が次々死んでいくのか、
併せて世界の世論もこういったアメリカの行動を許さず、
「この戦争をいい加減に終わらせろ」といって、
最終的にアメリカは撤退を決めます。
北ベトナムの勝利です。
軍事力も経済規模が全く話にならない規模の
北ベトナムがなぜアメリカを撤退させることができたのか。
詳しい説明は省きますが、実はここに書いた北ベトナムの
戦い方は「ランチェスター法則」と「オペレーションズリサーチ」
から導かれた戦争勝利の方程式です。そこからから生まれた戦略が
現在の経営にも応用されています。
当然経営は戦争とは違います。
しかし、従業員数の違いやSS数拠点の数の違い、経営規模の違い、
持っているお金の違い、関連企業などネットワークの違い、
そんなことに関係なく企業同士がぶつかってお客様の取り合いを
しなければならないというのは同じです。戦争同様、SS経営にも
ハンディキャップはありません。
中小SSは、その法則を活かして
「部分1位」と「接近戦」で大手に勝利していくのです。
スキルパスはあなたのSSを応援しています!
最後までお読みいただきありがとうございます。
スキルパス
谷口竜司
メール:ryu@hs.catv.ne.jp
HP :
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by skillpath
| 2024-04-26 09:57