SSマネージャーに必要な能力 2
2024年 07月 04日
SSマネージャーに必要な能力 2
皆さんお元気ですか。
SS業績改善コンサルタントの谷口竜司です。
今回は「SSマネージャーに必要な能力 2」
というテーマで書いていきます。
スキルパスが大事だと考えているのは以下の5つで、
(1) お客様作り
(2) マーケティング
(3) リーダーシップとマネジメント
(4) 部下育成
(5) 苦しいときの乗り越え方
「お客様作り」と「マーケティング」は解説しましたので
今回のテーマは「リーダーシップとマネジメント」です。
リーダーシップとは一言でいうと「人を引っ張っていく力」のことです。
人にやってもらうためにはまず自らが実践するという前提が必要で、
リーダーシップがある人とは、「自ら行動出来る人」のことです。
苦しい時にこそ、
自分が先頭に立って行動出来ているか、
タイムリミットまで目標を追い続けられるか。
業績好調時やお店に問題がない場合は
リーダーシップを発揮する場面はそれ程
多くないかもしれません。
ただ、ひとたび苦しくなった時にこそ
リーダーシップが必要になります。
例えば、アプリで「固定化を強化しよう」と決めたとして、
たいして獲得出来ていないにもかかわらずお店全体は早々に
あきらめムード。
そんな状況を、「部下がやらないのだからしかたがない」
と放置してしまうのではなく最後までやらせ切っているか。
「もう取れないよ」と負け犬状態のお店を変えるため
自ら先頭に立って動き、同時にメンバーを叱咤激励
しながら行動させられているか。部下に迎合していないか。
私の顧問先で元売タイヤキャンペーン
で日本一になったSSがありました。
2ヶ月にわたるキャンペーンで
現場としてはなかなかしんどい活動でした。
見込客や常連様、仲の良い人は
1ヵ月目に購入してくれています。
そうすると2ヶ月目は全く見込みがないところ
で活動していかなければなりません。
そうなると部下は弱音を吐きはじめます。
「もうこれ以上無理ですよ。エアチェックもしました、
見積もりも出しました、同じお客に同じことは出来ません」等々
できない理由を並べ始めます。
もちろん彼らも悪気はないのですが
1ヶ月目のようなペースで売れていかないので
諦めかかっているわけです。
このお店のマネージャーは
部下に向かって以下のように話しかけました。
「このキャンペーンで日本一を取ると決めたのは誰だった?
自分たちでやろうと決めたのではなかったのか?また、
どういう理由で日本一になろうと決めたのか思い出してくれ。」
この田舎の地域で、ガソリン販売量も大して多くない、
おまけに系列内でも名前も聞いたこともないSSが全国に
名前を轟かせよう!そんなワクワクすることにチャレンジしよう!
とみんなで盛り上がって決めた目標だよな。
そのためにキャンペーンの前からエアチェックをして見積もりをまいてきた。
実際にみんなで周辺住宅を個別訪問までして『今度タイヤキャンペーンが
ありますのでご家庭にタイヤの御用があればぜひ当店にご相談ください!』
とまでやってきた。
確かに買ってくれる見込みの人はもういないので苦しいことはわかる、
でもあれぐらい準備して、あれぐらい汗をかいたのにここで諦めるのは
納得いかない。俺は1人でもやるぞ!」と言って部下を叱咤激励しまた。
特に2ヶ月目はマネージャーと部下で
何度かこういう話し合いをしました。
その都度、みんなの気持ちが原点にもどり、
活動を続けるモチベーションを取り戻しました。
「そうだよな、見込みも無くなってこれ以上伸ばすのは難しいな」
と言ってリーダーが諦めたらそれで終わりでした。
こういう苦しい時に自分1人だけでも戦うぞという姿勢を見せる、
自分自身の気持ちも高めながら部下を叱咤激励する、
これがリーダーシップの原点だと思います。
文章にするとそれ程大変なことではないように感じますが、
いざ自分がその立場に立ったときにどれくらい苦しいことかわかります。
部下は部下で本当にそう思っているので
続けることに全力で抵抗します。苦しいが
故(ゆえ)にやめたくて仕方ないわけです。
おまけに複数人が束になってかかってきます。
そこを「そんなに嫌ならやめろ!」と言いたくなることを我慢しつつ、
部下の「やめたい」という以上の熱量で、しかし冷静に「諦めない理由」
を伝え部下を目的地まで連れて行くことができるのか。
マネージャーには個性があります。
強く引っ張っていくタイプ・みんなと協調しながら話し合って
いくタイプ様々で、それぞれの伝え方があって良いと思います。
ただ、優しいタイプのマネージャーにしても、厳しいタイプの
マネージャーにしても「でも私の意思は変わらない!」という
メッセージを、その理由とともに発信し続ける力、それが
リーダーシップだと思うのです。
とても大変なことですが、
こんなマネージャーとかかわることができた部下は
「リーダーシップとはどういうものか」を、身をもって知り
あなたのやってくれたことを見本に同じように部下育成を
していくようになります。
「自分はそんなマネージャーに出会ったことがない」などと
言わずにその文化をあなたからスタートさせてほしいのです。
さて、次にマネジメントですが、
まずは自分のお店がどの位置にあるかをマネージャー
自身が理解し、SSメンバーと「共有することが大事」と
いうことをお伝えしたいと思います。
例えば、粗利目標300万円/月のSSが15日現在で
100万円という実績であるとして、まずその事実を知っているか?
通常ペースなら150万円やっていなければいけないところ
50万円ショートしている状況を知っているか?
その状況をマネージャーが知っているのはもちろん、
従業員・アルバイトに至るまで共有しているか、です。
共有するために大きなグラフを貼って進捗を確認し合ったり、
SNSグループで推移について話し合ったり、やり方は何でも良いのですが
それが共有出来ているか、が大事なのです。
従業員に、「今のうちのお店の実績推移を知っているかい?
月間目標と今現在の実績を言ってみてくれ」と、数字が腹に
落ちているかの確認作業をやっているか。
不定期にこの質問をして部下に緊張感を与えられているか。
適度な緊張感は人を成長させます。
こういうことが出来ているお店は
「マネージャー、実績が下がってきましたね。
このままではまずいですね・・・」など部下自ら
声を上げるようになります。
まずこうやって部下に状況を認知させる。
皆に問題意識が共有されれば自ずと改善に向かっていきます。
リーダーは自分のお店をまずその段階に持っていく、
SSは全員で数字を追っています。「僕は実績のことなん
か知りません」「私は関係ないです」等、そんな無責任な姿勢を
許さない環境を作っていくことがマネジメントの第一歩です。
もう1つマネジメントで大事なことは、
結果を出すための行動を「数字で理解しているか」
ということです。
固定化を進めたいのであれば、
「LINE・アプリはお持ちですか」
と何件声をかけたのか?
タイヤ販売であれば、
エアチェックが何台なのか?
見積もり発行が何枚なのか?
コーティングであれば、
デモンストレーションが何台できたのか?
オイルを売りたければ、
点検・ステッカーチェックが何台できたのか?
1人ひとりの行動量をマネージャーは
把握しているか、ということです。
エアチェックが出来ていて、見積もりも多く発行しているのに
タイヤ実績が出ていないメンバーはクロージングのトークが弱い。
エアチェックが出来ているのに見積もりが発行できないのは
不良基準を理解していない場合がほとんど。
そもそもエアチェックをやっていないのは、活動自体に反旗を
翻しているか、会社やマネージャーに反旗を翻しているため
話し合いが必要な場合が多い。
部下の行動量をマネジメントすると心の中まで読めるわけです。
ちなみに、一人ひとりの行動量をみていない
SSはまず「行動管理表」を用意するべきです。
一人1日1枚で、今日の接客台数・声かけ台数・チラシ配布枚数
・点検台数・HIT台数など、活動内容によって必要な項目を記録し
個人別とSSトータルでまとめる、そんなところから始めて欲しいと思います。
一人ひとりの行動量がしっかり出来るようになるということは、
「上長が言ったことを素直にやる人になった」ということです。
素直な人たちによって、会社が望む行動・マネージャーが望む
行動が即座にできるようになれば改善のスピードが跳ね上がります。
逆に改善が進みにくいSSの共通項は、
皆で「これをやろう」と決めたにもかかわらず
実際に活動が始まると「気が乗らないのでやらない」とか
「面倒くさいのでいやだ」「客は望んでいない!(主観)」
など、後出しジャンケンのように言ってくるメンバーが多いお店です。
話を戻しますが、そういったことをしっかりと見て部下指導する、
もちろん率先垂範していくという、リーダーシップ
とマネジメント、その両輪が大事になってきます。
SSはマネージャーの能力よって大きく実績が変わります。
だからこそ「チャレンジ」や「やりがい」があると思うのです。
SSは給料をもらいながらリーダーシップとマネジメントの
能力を身に着けることができる実践の場です。
その2つは、「自分の人生」と「ビジネス」に役立ちま
す。
仕事を通してビジネスのみならず人生まで豊かになる、
そんな機会をくれる良い職場だと思いませんか。
SSの仕事を楽しんで、私自身もそうしていますが、
苦しい状況でも「今日も良い滝に打たれて精進できた!」と
滝修行のようにとらえて楽しんで目の前の壁を越えていって欲しいのです。
スキルパスはあなたのSSを応援しています!
最後までお読みいただきありがとうございます。
「部下育成」と「苦しい時の乗り越え方」は、
お伝えしたいことが多いので次回に詳細を記します。
スキルパス 谷口竜司
ホームページ:https://skillpath.jp/
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