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SSマネージャーに必要な能力 3


皆さんお元気ですか。
SS業績改善コンサルタントの谷口竜司です。

今回は、SSマネージャーに必要な能力の3回目
として「部下育成」について書いていきます。


スキルパスでは部下育成の
ポイントは2つあると考えています。

その1つが、「正しい行動を評価する」です。

結果管理という言葉がありますが、結果を出したから良かった・
達成をしたから良かった、という結果を評価するだけでは無く、
その結果を導いた行動も結果と同様に重要視してほしいのです。

また、「未達成だから駄目」と一刀両断する
のでは無く、同じように内容を見ることです。


昔の話で申し訳ありませんが、私がSS勤務1ヶ月目の時、
店頭でたまたまお客様から整備の相談を受けました。

業界に入ったばっかりで整備のこともさっぱり
わからない私は工場長にお客様をつなぎました。

古い外車を大切に乗っているお客様で、
不具合部分の作業全般を依頼してくれて
非常に大きな整備売り上げを上げることが出来ました。

お客様を連れてきたということで、
その売上げは私に付き、SSに入ったばかりの
その月にいきなり目標達成です。

その時にマネージャーや先輩たちから
「谷口すごい、大型新人誕生!」などともてはやされ、
悪い気はしませんが釈然としない気持ちでいました。

それもその筈、たまたま店頭に立っていて、
そういうお客様に当たっただけ。
自力で売ったわけでも無く、再現性があるわけでもない。

こんなことをみんなでワーワーと喜んで
何を言ってるのだろうと違和感を覚えました。

その時の私からすると、せめてマネージャーからは、
「たまたまラッキーがあって目標が達成できてよかったな。
ただし君の実力で売ったわけでは無い。まだまだ基本的な
セールスもできていないので提案数を増やして、ロープレを
やってトークを磨けよ」
などと言われた方がよっぽど腹に落ちたというものです。


このように、結果だけをほめるのでは無く、
エアチェックするとか、点検するとか、
ありがとうをもらうとか、会社によっても大事な
要素はそれぞれだと思いますが、結果につながる行動、
いわゆる「KPI」「プロセス」を評価して欲しいと思うのです。

もちろん、結果は大事なのでプロセス
さえやれば良いということではありません。

しかし結果を出すためのKPI、SSでいうところの「プロセス」は
これまで皆さんが結果を出すための要になった行動だと思います。

スキルパスでも、声かけ台数・チラシ配布枚数・点検台数・
見積もり発行数・デモ台数など結果に直結する行動を大事にしています。

会社の方針に則り、この行動を数多く
している従業員を評価することが重要です。

正しい行動とその量が結果を導くという当たり前を
評価することが従業員育成には欠かせません。



部下育成の2つ目は、「ルールを守らせる」ことだと思います。
ある意味これが最も大事なことかもしれません。

「遅刻をしない」「ピット掃除をしてから帰る」
「携帯はロッカーにしまう」「期限通りに書類
を提出する」などの約束事をしっかりと守らせることです。

出来ている企業・SSにとっては「そんな当たり前のこと」と
思うかもしれませんが、残念ながらSSにはこういったことを
徹底させられないリーダーが多いようです。

「一度注意したけどあいつは出来ないので仕方がない」
「やってくれないのでもう言わない」と立場を放棄して
いる状態のリーダーを何人も見てきました。

例えば遅刻を繰り返す人は、寝坊だったり
時間の読みが甘かったりなどが多いのですが
まずは遅刻した理由を確認する必要があります。

そして、なぜ遅刻はダメなのかを伝えます。

「SSでは周りのみんなと協力をして仕事をこなしている。
そのためあなたが遅刻することで業務が滞る。それが仲間にも
お客様にも損害を与える、だから遅刻をしてはダメだ」と伝えます。

「また遅刻をすればその分収入が減ったり
場合によっては減給の対象になったりする。
自分自身も損をする、だから遅刻はだめだ」と。

1~2度の指摘で改善すればそれで良いのですが
それでも遅刻を繰り返す人には
「ふざけるな!仕事をなめるな!!」
と強いメッセージを出す必要があります。

怒りをぶちまけろと言っているわけではありません。
ことの重大さを伝えるためにも叱ることが大事なのです。

リーダーが困ったような・笑ったような表情で
「いろいろあるだろうけど遅刻はしないでくれよ」
など悠長に伝えて遅刻常習犯にどれぐらい効くと思いますか。
その程度の甘っちょろい指導では部下の行動が全くわからない
SSを数多く見てきました。


札幌のマネージャーの話で、そのSSのルールになっている
「ピット掃除」をせずに帰ったメンバーがいました。彼は
そのメンバーの家まで行って「何か忘れ物忘れてることないか?」と
連れ戻し掃除をさせたことがありました。

今の時代同じことをするのは難しいかもしれません。
しかし、決してエリートとはいえない野武士のようなSSメンバー
をまとめていくとはこういった部下指導が時として必要になるのです。

逆にそこに手をつけないと、いつまでたっても
「行動を改めない」「好きなことはやるけど嫌な
事はやらない」というような自分勝手なメンバー
だらけになってしまいます。


スキルパス研修を受けているスタッフの
中にも「提出期限を守らない」人がいます。

初めは「期限が決まっているのだから
期限通り提出するのが社会のルールだ。
あなたの信頼にも関わることだ。期限通り提出しよう」
など指摘します。

が、それでも同じことを繰り返すスタッフには
叱ったり・注意をします。

「君以外は全員期限通りに提出してるぞ!
なぜそれができない、次回から必ず期限を守るように!」
と厳しくと伝えます。

強く言うとやめるから言えないという
ことを聞きますがそれ本当でしょうか。

人間は弱いものです。
わかっていても自分ではつい甘くなってしまう。
「直すべき点はきちんと指導して欲しい」という
新入社員アンケート結果もあるくらいです。

自分に問うてみてください。
指導が出来ないのは、自分が厳しいことを言う
「嫌なリーダー」だと思われたくないからではないのか。

部下と感情がぶつかるのが嫌で波風立てたくない
と思っている「自己保身」から注意しないのではないか。

自分が厳しいことを言うのが苦手で
そこから逃げているのではないか。


私も元々リーダーシップがあるとはいえない
人間なのでその気持ちはよくわかります。

でもリーダーの立場になれば、部下を育成
するためにやらなければならないことなのです。

もちろん伝え方は、強行的だったり、優しく伝えたり、
そこにはリーダーの個性もあるでしょう。
でも伝えなければいけない時はしっかりと伝える。

私の先輩でとても優しい方がいたのですが、その先輩も
そういった基本的なことができないことを注意するときは、
「僕は性格的にそんなに強く怒ってるように見えないと言われる、
実際そう見えるだろう。でも心の中は非常に腹立たしく思っている。
同じことを何度も言わせるな!と思っているんだよ」と冷静な口調
ながら厳しく言われて、こんな温厚な人を怒らせてしまったと
背筋が寒くなったことがあります。

リーダーは注意すべき事はきちんと言うことが大事なのです。


私が尊敬するSSマネージャーの話ですが、
彼が新しいお店に赴任したときのことです。

赴任して数ヶ月後、彼は売り上げを
上げる大事な従業員を辞めさせました。

昔の話なので許して欲しいのですが、
この会社にはひと月に遅刻が3回あると
クビになるというルールがありました。

この従業員は遅刻の常習犯でした。

彼がお店に赴任になった時は、
しっかりと実績をあげている彼に「これからもよろしく頼むな!」
と個人面談してお願いをした位です。

しかしそこは遅刻の常習犯、悪癖はなかなか直りません。

1回目は「遅刻を繰り返すと大変だぞ!次からないようにな。
目覚ましを1つ増やしたらどうだ」と言いますが、
彼は我関せず、その後2回もすぐに遅刻をしてしまいます。

1度目・2度目と、その従業員を呼んで注意・話し合い
・そのままだとクビになってしまう旨を伝えました。
しかし、彼は結局1ヶ月間に3回遅刻してしまいました。

そこでマネージャーは「残念ながら君は
来月から来なくていいよ」三行半を突きつけます。

そうすると彼は「何を言ってるんだこのやろう!
今までのマネージャーは全員俺が数字を上げるからって
いうことで許したぞ!なんでお前だけそんなことができ
るんだ!!」と大暴れをしました。

しかし彼は「俺も大事な戦力の君がいなくなるのは残念だ。
でもルールはルールなのでやめてもらう」と譲りません。

結局そのメンバーは辞めていくことになりました。

実はこの話後日談があるのですが、それから1年ぐらい
経った後に彼の店にその辞めさせられた従業員がやってきました。

その従業員は「僕は今別のSSで働いていますが
今度店長代理になりました」という報告でした。

「あの時にマネージャーに辞めさせられて
本当に腹が立ったし悔しくて悔しくてしょうしようがなかった。
SSの仕事が好きだったので本当に残念だった。

でも1つ気がついたのはルールを守らなければ
こういうことになるんだということがわかった。
社会っていうのはそういうところなんですよね。

実績を上げるからといって、
もっとその手前の『時間通りに来る』という当たり前のことが
できなければ、特に我々のような店舗営業しているところでは
仲間の信頼を得られない、それがよくわかりました」

僕はあれから「二度と遅刻をしない」と決めて
今のSSに行っていますが、真面目な勤務態度と
実績もきちんと上げるということで、1年で
マネージャー代理にまでなりました。

でもこれは、過去のマネージャーたちのようにいいよ、いいよで
許されていたら今の僕はなかったと思います。

本当にマネージャーには感謝しています。
今だと僕を辞めさせることも辛かったんだろう
なってことが少しわかります。」というふうに言われました。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉が
ありますが、SSには経験にしか学べない人が多いのかも
しれません。


こんなことを書くと、「人がいないこの状況で
何を呑気なこと言ってるんだ!」といわれそうですが
そんなルールを守らない人間がいると、その人間がいないこと
以上の混乱がSS内で起こっている事実を知るべきです。

だからこそまずルールを守らせる、そのための指導を
マネージャーに丸投げするのでは無く経営陣も同様に指導し続ける。
そして、正しい行動をした時はそれをしっかり評価してやる。
これが部下育成の本質だと思うのです。


スキルパスはあなたのSSを応援しています!
最後までお読みいただきありがとうございます。


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谷口竜司
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by skillpath | 2024-08-01 14:54